こんにちは。ウィルダー株式会社です。
建設業の人手不足について原因や対策、今後の見通し気になりますよね。建設業の人手不足は、2024年問題の時間外労働上限規制、さらに2030年問題の影響が重なり、求人が増える一方で有効求人倍率が高止まり、雇用人員DI(企業の雇用状況を示す指標)が不足を示す厳しい局面が続いています。
若手不足と高齢化、離職率の高さ、労働時間や賃金水準、週休二日などの働き方課題、未完了工事や建設投資の増加、人手不足倒産の増勢など、あなたが現場や経営で直面している疑問に、私の経験に基づく実務目線でお答えします。
BIMやCIM、三次元施工、ドローン、遠隔臨場といった建設DXやiコンストラクション、外国人材の特定技能や登録支援機関の活用、監理技術者の兼務合理化など、現実的に効果が出る手立ても具体的に解説します。
この記事を読むとわかること
- 建設業の人手不足の現状と主要データの読み方
- 2024年問題・2025年問題・2030年問題の実務インパクト
- 建設DX/BIM・CIM/遠隔臨場で成果を出す実装ポイント
- 外国人材活用や監理技術者兼務など制度の活かし方
建設業の人手不足の現状と課題

出典:https://unsplash.com/ja
まずは今、現場で起きている「不足の実像」を数字と構造で整理します。過度に悲観するのではなく、手を打つ順番を決めるための土台づくりです。
有効求人倍率と雇用人員DIの動向
建設関連職種の有効求人倍率は全職業平均を上回る高水準で推移しています。ここ数年、施工管理・設備・土木・建築いずれも求人は増えているのに応募が伸びない構図が続き、母集団形成が難しいのが現実ですよね。
求人媒体を増やしても、求職者が比較検討できる選択肢が多いので、待遇や働き方、現場の実情が伝わらない求人は選ばれにくいです。だからこそ、求人票の書き方や写真・動画での現場紹介、選考スピードの改善といった「基本動作の徹底」が効いてきます。
さらに、リファラル(社員紹介)や協力会社からの転籍支援、職業訓練校との連携など、チャネルを分散させると安定します。
同時に、企業の人手の過不足感を示す雇用人員DI(短観)は建設業でマイナス(不足)圏が続いており、景気に左右されにくい「構造的不足」を示唆しています。DIが不足方向に深いほど、採用単価は上がり、現場の外注比率も上がりがち。結果として原価率が上がり、利益が圧迫されます。
ここで焦って単価の安い人材に飛びつくと、現場の教育負荷が増え、品質・安全のリスクが上がる…という負の連鎖に入りやすいんですよね。大切なのは、DIの動向を踏まえて「いつ・どの職種を・どの地域で」採用強化するかを計画的に決めること。労働市場が厳しい時期は、採用よりも定着と生産性向上にリソースを寄せるのが合理的です。
雇用人員DIの見方:過剰−不足で算出。マイナスが大きいほど人手不足。季節要因より構造要因(人口動態・スキルミスマッチ)の影響が強い点が特徴です。人手不足が続くと、採用単価の上昇→原価率上昇→価格転嫁の交渉必要度アップ、という流れになるので、受注前の見積り段階から織り込むのがコツです。
| チャネル | 狙い | ポイント |
|---|---|---|
| 求人媒体 | 広く告知 | 写真・動画で現場の雰囲気を見せる/選考は48時間以内に連絡 |
| リファラル | 価値観適合 | 紹介インセンティブ明確化/紹介者へのフォロー |
| 訓練校連携 | 若手育成 | インターン受け入れ/資格取得の支援金を提示 |
| 協力会社からの転籍 | 即戦力 | 待遇・役割の透明化/関係悪化を避ける誠実な交渉 |
若手不足と高齢化と離職率の実態
建設就業者の年齢構成は、55歳以上が厚く、34歳以下が薄い「ひょうたん型」。ベテランの技能に頼って現場が回っている一方で、若手の補充が追いつかないのが実情です。加えて、高卒・大卒ともに3年以内離職率が相対的に高いので、せっかく採用しても現場に慣れる前に辞めてしまう。ここ、胸が痛いところですよね。
原因は、配属後のギャップ、業務の属人化、評価・給与の見えにくさ、残業の偏り、休日の取りづらさなど「日々の小さな痛み」が積もることにあります。だから、若手の採用数を増やすより先に、職場側の受け入れ設計を作り込むのが勝ち筋かなと思います。
実務的には、オンボーディング90日間で「人・仕事・評価」を見える化するのが効きます。例えば、1日目は安全教育と現場ツアー、1週目はメンター同行での作業体験、1か月目の面談で得意不得意を共有。
資格取得のロードマップを渡し、合格時の手当や昇給テーブルも事前に説明。評価項目は「安全・品質・生産性・チームワーク」の4軸で簡素にし、月次でフィードバックします。さらに、残業の偏りをダッシュボードで可視化し、週休二日を基本に工程を調整。若手が「休める」「上がる」「わかる」を実感できると、定着率は目に見えて上がりますよ。
離職を防ぐ三点セット
- 配属前後のギャップ最小化:職場見学、OJT可視化、メンター制度
- キャリアの見える化:資格ロードマップと賃金表を公開
- 勤務設計:週休二日化の工程設計と現場横断の応援体制
「若手が来ない」前に「若手が定着する職場設計」が先。採用の歩留まりは、入社後90日のオンボーディングでほぼ決まります。メンターの評価にも「育成」を入れると、教える文化が根づきやすいです。
建設投資と未完了工事の増加

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民間再開発・半導体・物流・エネルギー、防災や老朽インフラ更新など、国全体の需要は底堅く、建設投資は持ち直しています。
一方で現場からは「受注したが着工が遅れる」「協力会社が確保できない」「検査や立会いの調整で日程が押す」といった声が多い。つまり、未完了工事高(バックログ)が膨張して、売上の見込みはあるのに出来高計上が遅れ気味、という状態です。
ボトルネックは監理技術者や現場代理人などのハイスキル人材の不足に加え、発注者・設計・協力会社との調整に時間がかかること。紙の書類、押印、持ち回りなど昔ながらのプロセスがまだ残っていると、1件1件の待ち時間が積み上がってしまいます。
この状況では、工程の「段取り八分」を徹底して、先行手配・早期合意・並列処理を増やすのがカギです。具体的には、設計段階での干渉チェック、資材の長納期品の前倒し手配、検査の事前協議と日程ブロック、出来形確認の遠隔臨場化など。
さらに、現場の進捗データ(出来高・工数・発注・検査)をダッシュボードで一元化し、赤信号の前の「黄信号」を拾えると、手戻りや待ち時間を小さくできます。これ、聞くと当たり前ですが、データがバラバラだと誰も全体像を掴めません。まずは共通カレンダーと共通フォーマット、そして日次の短い進捗会議から始めるのが現実的です。
未完了工事の伸びは資金繰りにも影響。出来高計上の遅延はキャッシュ回収を遅らせ、部材・労務費高騰局面では運転資金圧迫につながります。工事ごとの着地見込み(売上・原価・粗利・回収時期)を月次で更新し、価格転嫁や追加請求の検討を前倒ししましょう。
2024年問題と時間外労働上限規制

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2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、原則として年960時間の枠内運用が求められています。繁忙期や災害対応の例外はあるものの、工程と要員の計画精度を一段上げないと成立しない現実があります。ここ、厳しいですよね。
従来の「気合いの残業」では回せなくなるため、工程の平準化、応援体制の整備、協力会社とのカレンダー共有、そして日々の工数管理が必須。特に、残業の偏り(特定の監督や職長に負荷が集中)を減らす仕組みづくりが重要です。
例えば、週の初めに「今週の山」を見える化して、昼間の増員や外注手配で夜間残業を減らす。検査や立会いはまとめて設定して移動時間のロスを削る。会議や書類の締切は週の中日に置かない、などの小さな工夫の積み上げが効きます。
もう一点、規制は「守る」だけでなく「守りやすくする」工夫もセットで。出来高・工数・残業時間の見える化、電子契約・電子承認での意思決定の高速化、現場から本社への報告の簡素化など、時間を生む投資は早く回収できます。なお、制度の正確な内容は公的情報を必ず確認しましょう。(出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制」)
経営に効く対応の勘所
- 工程平準化:週休二日を前提に工程を引く、元請・協力会でカレンダー統一
- 多能工化:技能横断のチーム編成で応援性を高める
- DX連動:出来高・工数を日単位で可視化し、残業超過の予兆検知
労働時間・安全衛生は命に関わる領域です。ここに記載の内容は一般的な目安であり、正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
2025年問題と2030年問題の影響
2025年は団塊世代が後期高齢層に入り、熟練者の引退が加速。技能の伝承が一気に難しくなり、大量退職と技能伝承の崖が顕在化します。2030年には超高齢化がさらに進み、都市部と地方の差も拡大。結果として、現場力と監理人材のダブル不足、労務費の上昇、資材・外注費の高止まり、そして地方の施工能力の空洞化が現実味を帯びます。
ここで必要なのは、5年スパンの「人・技術・仕組み」のポートフォリオづくりです。短期は残業を減らしつつ出来高を維持する工夫、中期は省人化・自動化、長期は人材育成の仕組み化。どれか一つでは足りません。
私のおすすめは、技能マップを作って「誰が何を教えられるか」を可視化すること。ベテランの暗黙知を動画・チェックリスト・標準手順に落とし込み、遠隔臨場やモバイルで見られるようにする。
次に、若手・女性・シニア・外国人材の役割設計を見直し、多能工化で柔軟に回せるチームを作る。最後に、契約・原価の意思決定を早めるため、見積り段階からリスクと価格転嫁方針を明文化。これらを全部いきなりは難しいので、重点現場を2〜3件選び、試して良かったやり方を社内標準にしていくのがスムーズです。
5年スパンで備える優先順位
1. 現場の自働化・省人化(BIM/CIM、三次元施工、遠隔臨場)
2. 監理技術者の配置最適化(兼務の活用と見える化)
3. 定着重視の採用ポートフォリオ(若手・女性・シニア・外国人材のミックス)
4. 契約・原価のリアルタイム管理(価格転嫁と出来高連動)
建設業の人手不足の解決策

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次に、現場と本社の両輪で効く対策を、実装手順とセットで解説します。重要なのは「すぐ効く打ち手」と「体質改善」を同時に進めることです。
建設DXとiコンストラクション推進
iコンストラクションは、測量・設計・施工・検査を三次元データで一気通貫させ、生産性を段違いに引き上げる取り組みです。とはいえ、いきなり全部は大変。私の現場伴走の経験上、初年度から効果が出やすいのは次の3つです。
まず、出来高・工数ダッシュボード。日報・原価・勤怠をAPI連携し、予定比で赤黄緑の信号を出すだけで、遅れの早期発見と応援指示がしやすくなります。次に、電子契約・電子納品。紙・押印・持ち回りの時間を削れるので、意思決定が早くなり、現場の待ち時間がガクッと減ります。
最後に、進捗の画像×AI判定。足場・配筋・養生などの是正ポイントを自動抽出して、是正依頼→完了確認までのリードタイムを短縮できます。
「データが回り出すと、ムダな移動と待ち時間が確実に減る」——これがDXの即効性です。導入時のコツは、「現場の人が毎日使う画面」を先に作ること。画面が見やすく、入力が少なく、役に立つフィードバックが返ってくる状態にすると、自然とデータが集まり、投資対効果も見えます。
小さく始めて、2〜3現場での成功パターンをテンプレ化し、全社展開へ。機能を盛り込みすぎず、「現場が回る」ことに絞るのが長続きの秘訣です。
| 施策 | 開始難易度 | 効果の出方 | 現場の負担 |
|---|---|---|---|
| 出来高・工数ダッシュボード | 中 | 早い(1〜3か月) | 低〜中(入力最小化が鍵) |
| 電子契約・電子納品 | 中 | 早い(手続短縮) | 低(ルール整備が必要) |
| 画像AI検査 | 中〜高 | 中(是正リードタイム短縮) | 中(写真撮影の標準化) |
BIMとCIMと三次元施工と遠隔臨場
BIM/CIMは設計・施工・維持管理を三次元モデルでつなぎ、干渉や手戻りを前倒しで潰します。中小規模でも段階導入で十分成果が出ますよ。
まずは点群データと写真、2D図面のハイブリッド運用から。測量と出来形の精度が上がり、発注者との認識差が減ります。次に、4D(時間軸)で施工ステップを可視化。重機の動線、人員配置、資材搬入のタイミングを合わせやすくなり、安全と生産性が両立しやすいです。
さらに、発注者・協力会社とモデルを共有して、遠隔臨場での確認・合意形成を進めると、移動時間が減り、判断スピードが上がります。
段階導入のロードマップ
- 点群×写真×2D図面のハイブリッド運用:測量・出来形の精度向上
- 施工ステップの4D可視化:工程・重機・人員の衝突回避
- 発注者・協力会社とのモデル共有:遠隔臨場で合意形成を加速
遠隔臨場は、安全・品質・出来形の確認をオンラインで実施し、監督・検査の移動ロスを削減します。録画とログの保全により、技術伝承の教材化にも役立ちます。
たとえば、是正の好事例を短いクリップで蓄積し、似た案件で再利用。現場の新人がスマホで確認してから作業に入れば、手戻りがぐっと減ります。通信環境が不安な現場では、モバイル回線の冗長化や録画のオフライン同期を準備しておくと安心です。
監理技術者専任の合理化と兼務

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2024年末から、一定要件のもとで監理技術者・主任技術者の兼務が可能になり、人手不足のボトルネックに現実解が提示されました。実務では、まず兼務可能な案件の条件整理(契約金額、工期、リスクレベル、現場距離)を行い、配点式のスコアで組み合わせを作ると判断がブレません。
次に、ICTで現場状況の常時把握。ライブ映像、出来高、品質・安全のチェックリストをダッシュボードで見える化し、異常があれば即座にアラート。最後に、記録の完全性。指示・確認・是正のやり取りをタイムスタンプ付きで残し、監査にも耐える台帳を自動生成します。
- ICTによる現場状況の常時把握:ライブ映像・出来高・安全の可視化
- 兼務の配分ルール:契約金額や工期・リスクで配点し、配置を数理最適化
- 記録の完全性:指示・確認・是正の証跡をタイムスタンプ付きで保全
兼務の要件や対象金額等は法令・通達の更新により変動します。ここでの説明は一般的な目安です。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
外国人材と特定技能と登録支援機関
特定技能(建設)は、即戦力の外国人材を日本人と同等の処遇で雇用できる制度です。成功の分岐点は「採用」よりも定着支援にあります。生活の立ち上げ(住居・口座・携帯・行政手続き)を丁寧に伴走し、日本語・安全・技能の三位一体の教育を継続。
さらに、母語で相談できる窓口と、現場用語や安全KYを含む多言語マニュアルを用意しておくと、トラブルの芽を早めに摘めます。ここまで整えると、指示が通じない・安全が不安・文化の違いで誤解、の悩みがグッと減ります。
定着に効く三本柱
- 生活立ち上げの伴走:住居・口座・携帯・行政手続きの初期支援
- 日本語×安全×技能の三位一体教育:N3/N2目標+現場用語+安全KY
- 多言語マニュアルと相談窓口:母語での即時相談とトラブル未然防止
登録支援機関の活用は、制度遵守の徹底と教育の仕組み化に有効です。役割分担を明確にし、「採用〜在留手続き〜現場受け入れ〜教育〜評価・昇給」の流れを定型化。
自社直轄でやること(評価・配属決定・安全教育の中核)と、外部に委ねること(生活サポート、日本語教育の基礎)を線引きします。受け入れ現場では、指示系統の図解、ミーティングのルール(開始時刻・所要時間・使用言語)、写真・図解の多用など「伝わる工夫」を標準に。こうした準備があると、離職率は確実に下がりますよ。
在留資格・社会保険・安全衛生など、法令遵守が必須です。本項は一般的な解説であり、正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
建設業AI導入はウィルダーにお任せ
私たちウィルダーは、建設業向けに「すぐ効くAI」と「現場に馴染むUI」をセットで提供します。現場横断のデータを活かし、ムリ・ムダ・ムラを確実に削ります。
AIは魔法ではありませんが、日々の判断と段取りを後押しする「相棒」にはなれます。シンプルに使えて効果が見えることを大事にして、2〜3現場の小さなPoCから全社展開まで伴走します。頼ってくださいね。
提供ソリューション例
- 出来高・工数の予実AI:工程遅延と時間外超過を予兆検知
- 画像AI検査:配筋・足場・養生等の自動チェックと是正支援
- 監理技術者の配置最適化:兼務ルールを加味したスケジューリング
- RAG型ナレッジQA:要領・仕様書・安全書類から即答する現場アシスト
- 図面・書類のOCR/自動仕分け:電子納品と帳票作成を半自動化
「小さく始めて早く効かせる」——2〜3現場でのPoCから月次の削減効果を見える化し、全社展開まで伴走します。ご相談はお気軽にどうぞ。費用対効果は初月から把握し、続ける/やめるをはっきり判断できる形で支援します。
建設業の人手不足の要点まとめ
- 需要増×供給減のギャップは中期的に続くため、採用より先に「定着・育成・省人化」を設計
- 2024年問題は工程と要員計画の精度勝負、週休二日を前提に現場横断で平準化
- BIM/CIM・遠隔臨場・電子契約など効果の出やすいDXから段階導入
- 監理技術者の兼務活用と可視化、特定技能は教育と支援で定着がカギ
本記事の数値・制度の記載は一般的な目安です。運用は地域・発注者・契約条件で異なります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。


