オウンドメディアの企画設計|続く運用を作る記事の大中小

オウンドメディア運用 業種別お役立ち記事
出典:https://unsplash.com/ja
willeder

ウィルダー株式会社は、ITとデザインの両面からクライアントの課題解決を支援する企業です。
システム開発からブランディングまで幅広いサービスを提供し、クライアントのビジネス成果を最大化するパートナーとして活動しています。
WEBサイト制作、アプリ開発、業務効率化やAI導入などお任せください!

willederをフォローする

オウンドメディアが止まる原因は、企画の弱さではなく運用設計の欠落にあります。

本記事では、興味関心でターゲットを切る企画設計と、記事を大・中・小に分けて年間本数と工数を決める運用設計を、提案実務の手順として整理します。

大学・研究機関・専門領域を持つ事業会社など、「社内に専門知はあるが、それが読まれていない」組織を想定しています。

なぜオウンドメディアの更新は止まるのか

オウンドメディア運用

出典:https://unsplash.com/ja

止まる原因は、だいたい次の3つに集約されます。どれも公開前の設計で防げるものです。

  1. 誰に向けるかが決まっていない
    「学内外の多様なステークホルダー」「幅広い世代」といった要件は、裏を返すと誰にも向いていません。読者が決まらないと、記事の採否を判断する基準も決まりません。
  2. 入口が組織の都合になっている
    「当社の研究はここがすごい」から始まる記事は、すでにその組織に興味がある人しか読みません。検索して来る人は、組織ではなく自分の困りごとを抱えて来ます。
  3. 本数と工数が紐づいていない
    「月5本」とだけ決めると、取材が必要な重い記事も、社内で書ける軽い記事も、同じ1本として数えられます。重い記事が続いた月に破綻し、そのまま更新が止まります。

1と2は企画設計、3は運用設計の問題です。この記事では順に扱います。

企画設計①:ターゲットを属性ではなく興味関心で切る

ターゲットは「20〜30代男女」のような属性ではなく、「何を知りたがっている人か」で定義します。属性で切ると、記事のテーマが決まらないからです。

属性で切った場合と、興味関心で切った場合を並べると違いがはっきりします。

切り方 ターゲットの書き方 そこから出てくる記事
属性で切る 高校生とその保護者 学部紹介、キャンパス紹介、在学生インタビュー
興味関心で切る 災害への備えに不安がある人 備蓄の優先順位、避難所での過ごし方、子どもへの説明の仕方

上の行は、その組織をすでに知っている人にしか届きません。下の行は、組織を知らない人が検索で辿り着けます。オウンドメディアの役割が「まだ知らない人を連れてくること」なら、下の行を選びます。

ここで注意が必要なのは、「興味関心で切る」と決めたあとも、記事のテーマを組織側の都合で決めてしまうケースが多いことです。テーマの候補は、実際の検索クエリや質問サイトの投稿から拾います。社内の希望テーマリストだけを元にすると、結局元の場所に戻ります。

企画設計②:競合マッピングで空いている入口を探す

同じ領域のメディアを5〜8つ集め、「何のために発信しているか」と「誰に向けているか」の2軸で置きます。数値の大小を比べるためではなく、空いている場所を見つけるためです。

オウンドメディア競合マッピング

多くの組織は、左下(学内向けのPR)か、右上(一般向けの専門知発信)のどちらかに寄ります。左下は読者が広がらず、右上は競合が多く、どちらも後発が割り込みにくい領域です。

残っているのが、軸の中間にある「生活者の困りごとから入り、答えに専門知を使う」入口です。入口は読者側、中身は組織側。このネジれを残すことが、差別化になります。

マッピングの際は、各メディアのトップページではなく、記事一覧のタイトルを並べて判断します。コンセプト文ではなく、実際に出ている記事がそのメディアの立ち位置を表します。

企画設計③:コンセプトは「読者に代わって動く」で書く

オウンドメディア運用

出典:https://unsplash.com/ja

コンセプトは、形容詞ではなく動詞で書きます。「寄り添う」「身近な」といった言葉は、記事の採否を判断できないからです。動詞で書くと、「この企画はコンセプトに合っているか」を編集会議で判定できます。

たとえば「読者に代わって動く」を軸に置くなら、サイトがすることをいくつかの動詞に分解します。

  • 聞く――読者が聞けない相手に、代わりに聞く
  • 試す――読者が試せないことを、代わりにやってみる
  • 測る――「本当?」を、設備と専門家で検証する
  • 調べる――散らばっている情報を、一か所にまとめる

この形にすると、記事タイトルが自動的に決まります。「○○について専門の先生に聞いてみた」「○○を実際に測ってみた」のように、読者から見て「自分の代わりにやってくれた」と分かる見出しになります。

逆に、「○○学部の研究紹介」「○○先生のご紹介」はこの軸に合わないため、自然に弾かれます。判断基準として機能するかどうかが、コンセプトの良し悪しです。

運用設計①:記事を大・中・小に分ける

記事を「1本」と数えるのをやめ、工数の違う三つの型に分けます。これが、更新が止まらない設計の核です。

  【大】特集・検証 【中】専門家にQ&A 【小】短尺解説
役割 話題をつくる 信頼をつくる 検索の入口をつくる
発案 編集部 読者の素朴な疑問 検索クエリから逆引き
取材 現場・設備を使う 60〜90分のインタビュー 原則なし(監修のみ)
制作期間 約4週間 約2週間 約1週間
文字量の目安 4,000字前後 2,000字前後 800字前後
二次利用 動画・SNS・特集組み SNSカード まとめ記事への内部リンク

工数の比はおおむね【大】1本=【小】約4本です。この換算率を決めておくと、「今月は特集をやるので短尺を減らす」といった調整が、感覚ではなく計算でできるようになります。

重要なのは、【小】を「手抜きな記事」にしないことです。【小】は検索流入の主力になるため、テーマ選定と監修にはちゃんと工数をかけます。嵩を下げるのは取材と制作工程だけです。

運用設計②:大中小の比率で年間本数と予算が決まる

大中小を定義すると、年間本数と予算が同じ表の上で決まります。年間の組み方は、たとえば次のような形です。

型 年間本数 月あたり 【小】換算
【大】 12本 1本 48
【中】 12本 1本 24
【小】 48本 4本 48
合計 72本 6本 120

年72本という数字だけを見ると多く感じますが、内訳が分かれば月の負荷は抑えられます。取材が必要なのは月に2本、残りは監修と執筆で回ります。

見積を作るときも、この表がそのまま根拠になります。「記事制作費一式」ではなく、型ごとの単価×本数で積み上げると、予算を下げるときに「どこを削ると何が失われるか」を話せます。例えば【大】を2本減らせば【小】を8本増やせる、といった交渉が成立します。

逆にこの分解がないと、予算削減は「本数を減らす」だけになり、検索流入の土台である【小】から先に削られてしまいがちです。

運用設計③:依頼側の承認を3か所に絞る

オウンドメディア運用

出典:https://unsplash.com/ja

更新が止まるもうひとつの原因が、承認の多さです。工程ごとに確認を回すと、現場の担当者が先に疲弊します。最初に「ここだけお願いします」を決めておきます。

工程 【大】 【中】 【小】
① テーマ決定 依頼側が判断 編集部が提示 編集部が提示
② 登場者・日程調整 依頼側が調整 依頼側が選択 不要
③ 構成・取材 制作側 制作側 制作側
④ 執筆・デザイン 制作側 制作側 制作側
⑤ 事実確認 依頼側が確認 依頼側が確認 依頼側が確認
⑥ 公開・SNS 制作側 制作側 制作側

依頼側が関わるのは、テーマの判断・日程調整・事実確認の3か所だけです。文章の表現や見出しの好みはレビュー対象に含めません。ここを開けると、承認の往復が無限に増えます。

この表は、提案時にそのまま資料に入れられます。依頼側が最も気にしているのは金額よりも「自分たちの工数がどれだけ増えるか」であることが多く、先に見える化すると安心材料になります。

オウンドメディアの企画から運用設計まで、ウィルダーが伴走します。ご相談はこちら

まとめ:企画と運用をひとつの設計として書く

オウンドメディアの提案は、コンセプトで終わらせないことです。今回触れた5つは、それぞれが次の決定の前提になっています。

  1. 興味関心でターゲットを切る → テーマの範囲が決まる
  2. 競合マッピングで空きを探す → 入口の角度が決まる
  3. コンセプトを動詞で書く → 記事の採否基準が決まる
  4. 記事を大中小に分ける → 本数と見積が決まる
  5. 承認を3か所に絞る → 運用が止まらなくなる

逆に、このうちどれかひとつでも欠けると、公開後半年くらいで「次に何を書けばいいか分からない」状態になります。公開がゴールではなく、公開後に毎月回ることが設計の目的です。

よくある質問

記事は年間何本から始めるのが現実的ですか?

初年度は年36本(月約3本)がひとつの目安です。工数の重い【大】を減らして【小】を厚くすれば、同じ予算で本数を増やせます。最初から年72本を目指すより、続けられる本数で始めて翌年度に増やすほうが安全です。

既存のサイトや記事は新サイトに移行すべきですか?

必ずしも移行が最善ではありません。旧サイトを残したまま新サイトから導線を張る方法もあります。移行にはリダイレクト設計と検索評価の引き継ぎが必要で、本数が多いほど費用が嵩む点に注意が必要です。

社内に書ける人がいません。運用できますか?

【大】と【中】を外部に出し、【小】の監修だけを社内で担う形が現実的です。依頼側が関わる工程をテーマの判断・日程調整・事実確認の3か所に絞ることで、社内工数を最小限にできます。

オウンドメディアの成果は何で測ればよいですか?

公開初年は、成約や申込などの最終成果ではなく、記事数・検索流入・回遊率などサイト単体の指標で置きます。ブランド調査などの定点調査を実施している場合は、そのスコアを中期の指標に加えられます。

競合マッピングは何社分やれば十分ですか?

5〜8つで傾向は見えます。数を増やすより、各メディアの記事一覧のタイトルまで見るほうが精度が上がります。コンセプト文ではなく、実際に出ている記事がそのメディアの立ち位置を表します。

「何本つくればいいのか」「社内の工数がどれだけ必要か」を含めた具体的な設計をご提示します。無料で相談する

 

かんたん試算

コスト削減シミュレーター

週のムダ時間 × 人数 × 時給で、削減インパクトを概算します。

1人あたりの週ムダ時間
2.0 h/週
01020h
例:定例資料づくり、転記、チェック、問い合わせ一次対応 など
対象人数
5 人
平均時給
1500 円
円
※ ボタンで選んでも、手入力で上書きしてOKです
試算結果
月=4.33週 / 年=52週(簡易換算)
週あたり
—円
月あたり
—円
年あたり
—円
この条件で無料相談する
※ あくまで概算です。業務内容により前後します。
タイトルとURLをコピーしました